外出も控える今日この頃。
久しぶりに陸上本を読み返していました。
そこで、改めて脱力の大切さを語りたいと思います。
『「骨ストレッチ」ランニング』
目次
骨ストレッチとは
体の、特に末端の部分の無駄な力を抜くことに注力した技術。
基本的には体の末端のツボを抑え、ストレッチを行います。
こうすることで、末端ではなく体の中心部を適切に引きのばします。
・・・それ普段の体操・ストレッチと何が違うのん?
ってなりますよね!
実は我々が普段やっているストレッチだと、体の端を引っ張ることが多いと思います。
言ってみればゴムの一部分だけ無理やり伸ばすようなもの。かえって走りの調子が悪くなる!
というのが著者の意見。
例えば前屈。グーーーーっと手を伸ばして足先に届かせようと頑張る人、いませんか??
このあと走ると、体が悪い意味で一部分緩み、バランスが乱れます。
僕らが本当に伸ばして柔軟にすべきは、体の中心部です。骨ストレッチの例は次のようなものです。その場で試してみてください!
・親指と小指で手首の骨の出っ張り部分を抑え、そのまま手首をぶらぶら振る。
・足首の骨の出っ張り部分を親指と小指で抑え、しゃがむようなポーズから膝立ちまで上下に動く。
いかがでしょうか?
確かに、普通の体操と比べて体が動かしやすく感じませんか?
日常的に無駄な筋力を使っている
走りで特に大切なのは、体の中心部からの柔軟なパワー。
それを発揮するには、筋肉をゆるめておく必要があります。いわゆるオフというものです。
しかし!気づかぬ内に無駄な筋力を使っているのが我々です。
特に気になるのは立っている時!
斜めに傾いた体を支えるために筋肉が働いています。
画像の立ち方だと、両足を閉じすぎて足骨が少し斜めに傾いているので、それを支えるために筋力を使っています。
僕たちスプリンターは、走るために筋肉を使うのであって、体を安定させるために筋肉は使わない。
安定は静止につながります。言ってみればブレーキです。
そんなはずはありません。アクセルのための筋肉でしょう。
無駄な作業に筋肉を使わず、ひたすらスピードを上げるために筋肉を使いましょう。
そのために、立っている時も極力骨に頼ります。
足を肩幅に開き、かかとの真ん中の方に重心を重ねるようして立ってみたください。
足の筋肉をほとんど使わず立ち続けることができます!
筋肉を緩めると出力が上がる
このブログでは兼ねてから、脱力に関してしつこく語らせてもらいました。
素早く筋力を発揮する(筋出力を上げる)には、筋肉を緩めておくことが必須条件です。
力こぶを作った状態とリラックスした状態、どちらがパンチを素早く打てるかは明白です。
骨ストレッチで体の中心部をリラックスさせ、本番でもしなやかに走ることが求められます。
元男子100m走日本記録保持者の伊東浩司選手も、実は筋力そのものは女子選手並だったそうです。
ただし、実際に走る時の筋出力はズバ抜けており、リラックスして楽に走るイメージがあれほどのスピードを引き出していました。
さて、僕らはどうでしょうか。
腹筋を鍛え、そのバランスをとるために背筋も鍛え・・・
筋肉で骨をロックしたような走りに陥っていませんか?
僕は筋トレは必要だと思いますが、筋トレによってスランプを脱却したりすることはほぼ無いと思います。
筋力依存はやめて、今ある筋力を適切に発揮するトレーニングを試してみてはいかがでしょう。
注意点
体をゆるめることに注力した骨ストレッチ。
確かに便利な技術です。
ただし結論から言うと、極論だと思います。
ここまで語っといてなんやねん!
って話ですよね笑。でも注意は必要です。
本というのは、基本的に他との差別化をはかって極端な主張をしがちです。
(例えば、「貯金なんてせず、全部投資しろ!」など笑)
著者が筋トレ至上主義を否定するのはすごいわかります。
しかし、だからと言って骨の動きだけでぶち抜けるほど競技は甘くはありません。
本当に筋力が関係ないのなら、なぜ女子と男子で競技力に大きな差が生まれるのでしょう。
当然基礎的な筋力値はパフォーマンスに大きく関わります。
骨ストレッチを使うのはオーケーですが、基礎筋力強化を怠るのはお勧めしません。
常に理論は疑ってかかるべきです。もちろん試してみるのは大事ですが、言われたことしかしないと、応用力がなくなるのは目に見えています。
もちろん、僕の言うことも鵜呑みにするのは良くないです。
あなたの体と相談しながら、最もパフォーマンスが向上する方法を模索し続けてください。
動画でも紹介しているので、ぜひご覧ください。
<参考にした本>
それでは!
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